放射線室
当院の放射線室では、X線(レントゲン)、磁場、超音波を使用したさまざまな検査を通じて、病気の診断や治療に不可欠な貴重な情報を提供しています。診療放射線技師が、高い精度と安全性を確保しながら、患者様お一人おひとりに最適な検査を提供します。私たちは、患者様が安心して検査を受けられる環境を整え、精密な診断を支援することに努めています。
検査に関するご質問やご不安がありましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。
当院、診療放射線技師の取得認定資格
・ X線CT認定技師
・ 画像等手術支援認定診療放射線技師
・ 放射線管理士
・ 放射線機器管理士
・ 医用画像精度管理士
・ 医療情報技師
X線検査について
X線検査は、一般的にレントゲン検査として知られており、体内の様子を映し出す画像を得るためにX線を使用します。この検査は初期診断で頻繁に用いられ、画像診断の基本とされています。健康診断で行われる胸部X線や、骨折の診断に必要な検査など、多くの場合にX線撮影が活用されます。
X線は人体を透過し、透過したX線を利用してX線写真を撮影します。このX線検査では、金属類などX線の透過できない物質が診断結果に影響を与える可能性があるため、検査前には特定の衣類やアクセサリーを外していただくことがあります。
妊娠中の方、または妊娠している可能性がある方は、原則としてX線検査を受けることができません。
そのため、検査を受ける前には必ずスタッフへお申し出ください。
設備
- X線一般撮影装置 : CH-200M、UD150B-40(島津製作所)
- デジタルX線画像診断システム(CR) : FCR XL-2(富士フィルムメディカル)
X線透視検査について
X線透視検査は、X線を使用してリアルタイムで体内を観察し診断を行うことができる検査です。この検査の特徴は、バリウムを使用した胃の検査など、動いている臓器や関節の状態をその場で確認できる点にあります。脊髄造影や関節のストレス撮影など、X線透視を活用した様々な特殊検査を提供しています。
当施設では、平成30年に最新のFDP(フラットパネルディテクター)を搭載した装置に更新しました。この新しい装置は、従来のものに比べて画質が向上し、被ばく線量を低減することが可能です。また、長尺撮影やトモシンセシス(層状撮影)など、特殊な撮影技術を用いることもできます。
妊娠中の方、または妊娠の可能性がある方は、X線透視検査を受けることができません。
検査前に必ずスタッフにその旨をお伝えください。
設備
- X線透視診断装置 : SONIALVISION G4(島津製作所)
骨密度検査(骨塩定量測定)について
骨密度検査(骨塩定量測定)は、骨粗しょう症の診断および治療の経過観察を目的として行われます。この検査では、骨の強度やミネラル含有量(いわゆる骨塩)を測定し、年齢や特定の疾患が骨に与える影響を評価します。骨塩の量は、測定された数値を解析し、正常値と比較することで知ることができます。
骨粗しょう症自体は命に直接的な影響を与える病気ではありませんが、骨粗鬆症による骨折から介護が必要となるケースは少なくはありません。このため、骨密度の状態を知り、適切な予防や治療を行うことが非常に重要です。検査は4ヶ月ごとに受けることが推奨されています。
骨密度測定にはいくつかの方法がありますが、当院では腰椎と股関節を対象としたDEXA法を用いています。この方法はガイドラインで推奨されており、骨密度を正確に測定するのに有効です。
設備
- X線透視診断装置 : SONIALVISION G4 Smart-BMD(島津製作所)
X線CT検査について
CT検査は、身体の周囲にX線を当てながら撮影を行い、得られたデータを画像処理することにより、様々な角度からの画像を生成することができます。この技術により、三次元の立体的な画像(3D画像)を得ることも可能になっています。近年の技術開発により、短時間で広範囲を撮影できるようになり、CT検査は緊急性が高く、非常に重要な検査手段となっています。
当院で使用しているCT装置は、最新の被ばく低減技術であるAIDR 3Dを搭載しており、低被ばくでありながら高画質の撮影が可能です。
CT検査はX線を使用しますので、妊娠中の方や妊娠の可能性がある方は検査を受けることができません。
また、ペースメーカーを装着している方も検査を受けることができない場合があります。
これらに該当する方は、検査前に必ずスタッフにお知らせください。
設備
- X線CT撮影装置 : Alexion TSX-032A:16 列MDCT(キャノンメディカルシステムズ)
MRI検査について
MRI検査は、強力な磁石と電波を使用して、体内に含まれる水分や脂肪の分布を画像化する診断技術です。この検査の大きな特徴は、X線を使用しないため、放射線被ばくのリスクがない点にあります。さらに、MRIは特定の画像技術を用いることで、造影剤を使用せずに血管の様子を詳細に描き出すことが可能です。
当院で使用しているMRI装置は、開放型の設計であり、検査中の不安や閉所恐怖症を軽減するよう配慮されています。また、「Pianissimo」と呼ばれる静音機構を搭載しているため、よりリラックスして検査を受けることができます。
検査室内では強力な磁場が発生しているため、安全に検査を行うために事前に問診を行います。
また、検査を受けられる際は必ずスタッフの指示に従うようにしてください。
設備
- MRI装置 : EXCELART Vantage powered by Atlas :1.5T(キャノンメディカルシステムズ)
超音波検査について
超音波検査は、高周波の音波を利用して身体の内部を映像化する非侵襲的な診断技術です。この検査法は、放射線を使用しないため、妊娠中の方や小さなお子様でも安心して受けることができます。超音波が体内の組織や液体に反射することで、内臓や血管、筋肉の状態をリアルタイムで観察することが可能です。
当院では、特に整形外科領域での超音波検査に力を入れており、関節や腱、筋肉などの詳細な診断に活用しています。また、手術時のガイドとしても使用され、より正確で安全な治療に役立ちます。
設備
- 超音波診断装置 : HI VISION Avius(富士フィルムヘルスケア)
- SONIMAGE HS2 SNiBLE2(コニカミノルタ)
医療用画像管理システム
当院では、平成25年9月より医療用画像管理システムを導入し、フィルムを使用しない「フィルムレス」の画像管理・運用を行っています。このシステムにより、従来のフィルムを用いた方法と比較して、画像処理の待ち時間が大幅に短縮され、より迅速かつ効率的に画像診断を行うことが可能になりました。
さらに、このシステムの導入により、画像データの長期保存が容易になり、患者様の診療履歴を一元管理できるようになりました。これにより、過去の画像データと新しいデータを比較分析することで、より精密な診断が可能となります。
設備
- 医療用画像管理システム(PACS) : Rapideye Core TFS-01KX(キャノンメディカルシステムズ)
- 医用画像解析ワークステーション : AZE Virtual Place(キャノンメディカルシステムズ)